モートン、虐めについて語る 「虐めとは相手の自尊心と可能性を壊す行為」

モートンが、ノルウェー政府の「虐め対策会議」に呼ばれて、話をしました。

何を話したかについて、Bt.noが抜粋していましたので、掲載します。
ここに載ってない部分については、Bt.noの訳の後に補足で掲載します。


http://www.bt.no/nyheter/innenriks/Morten-Harket-fortalte-om-egen-erfaring-med-mobbing-3291625.html
モートン・ハルケット、虐めの経験を語る

ポップスター、モートン・ハルケットは政府の虐め対策会議で、子供時代の虐められた経験について語った

会議にて、彼は自分の経験について語った

「モートン・ハルケットです。私は、30年間アーティストとして活動してきました。
僕の子供時代に起きたことは小さな事だった。その経験が、今の僕を作ってきたんだ。」

3年生から6年生にかけては、辛い日々だったと、アーティストは語った。

「放課後、僕は取り囲まれ叩かれた。僕の思い出の中で、それはいつものことだった。
今、振り返って考えると毎日ではなかった。でも、日常だったんだ」

「僕はしょっちゅう、悔し涙と共に帰宅してた。そのうち、将来のこととか白昼夢に夢中になっていったんだ。僕の中では、僕は他の誰よりも強かった。そして、そうなった。
同時に僕は、それが今でないことは理解してた。だから、そうなるまで、かなり長い時間我慢せざるを得なかった。もし、この考えに至らなかったら、僕はどんな道もたどれなかっただろう」

ノルウェー首相エルナ・ソルベルグ、文部大臣トールビョルン・ルーエ・イサーケン、厚生大臣ベント・フイエは、オスロの政府官邸における虐め対策会議を金曜日に開いたのだ。

この二人の大臣が生徒、両親、保育園および関係各所の参加を呼びかけた。

「虐めは文化になっている。でも、その虐めという文化とは離れて、他の文化で自分を大切に育てなくてはいけない。」
彼は集まった人々にそうアドバイスした。


この記事には掲載されていませんが、VGでは、モートンの話のこの部分についても掲載されています。

「5歳までは家で、安心して生活できていた」
「しかし、学校ではそうはいかなかった」
「僕に対する虐めは肉体的なもので、それは文化としてあって、僕はターゲットになったんだ。僕は肯定で何が起きるかわからなかった。自尊心を破壊されて、僕はしばしば自分を(自分の)外側に見つけることになった。僕には才能があっても、自分自身にアクセスすることが出来なかったんだ。これこそが、虐めがもたらす核となるものだ。虐めは、虐められた人の可能性を壊すんだ」

そうなんですよね、どれほど家庭が安心できる場所であっても、一日の大部分を過ごす学校での虐めに遭うと、人は自分の存在価値を信じられなくなるんですよね。
モートンは幸い、持って生まれた想像力で「自分は誰より強いんだ」と思うことに至ったようですが、そこに至らなかったらアウトだったというのは、本人も言っていますし、その通りでしょう。

虐めはする側からしてみたらたいしたことでないように思えても、される側にすると、本当に「心を殺される」に近いものだと、私は思います。

こちらの、会議後のインタビューでは、モートンは記者の「虐めはいつ終わったの?」という質問に「終わらなかったよ」と言っています。
http://www.aftenposten.no/webtv/Morten-Harket-gikk-fra-mobbeoffer-til-mobber-7882295.html

以前のテレビ番組「モートン・ハルケットの歴史」では、彼は虐めにあっていたけれど、そのうち教会の青年団に場所を見いだしたと、ただし、それでも彼は奇異の目でみられたとしていました。そのキリスト教の青年団に場所を見いだしたことが、彼のインタビューでいうところの「虐めという文化から離れて自分を育てる」ことだったのかもしれなと思いました。

投稿者: Tomoko

1985年7月4日、期末試験の直前で部活が休みだった日に、たまたまみたテレビ神奈川の「ミュートマ」で『Take On Me』を見てモートンに落ち、8月25日にアルバム発売というので誕生日プレゼントにしてもらって、モートンの声の多才さに感動。その後、タイトルを最後に言うタイプのラジオで「この声綺麗」だと思ったら「I've been losing you」で、これまたモートンだったことから、自分にとって最高の声だと確信。2010年の解散に伴い、翌年からノルウェー語を勉強しはじめ、現在はMCは聞き取れるようになりました。2022/05/20発売の『a-ha THE BOOK』で、モートンのソロについて書かせていただきました。

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