Dagbladet:『True North』レビュー

Dagbladetのレビューです。こちらも5/6。このライターさん、もしかしてa-haの大ファンなんじゃ…と読んでて思いました。タイトルが若干不穏ですが、愛溢れるレビューなので安心してどうぞ。
ソースhttps://www.dagbladet.no/kultur/det-siste-vi-horer-fra-a-ha/77517964


これが、a-ha最後のアルバム?

ポップのベテランの復活成功

原文:Torgrim Øyre

アルバム: a-haの物語は内容豊かで、紆余曲折があり、時には激しい物語だ。バンド自身も全く隠してない。何度か休止しているものの、世界の意志は明らかに異なり、私たちは再びここに集うのだ。

11枚目のアルバム『True North』は、一種の映画と音楽の融合だ。とはいえ、おそらくレコードが目的で映画は手段だろう。バンドは、常に新譜を作るための新しいアプローチを願っていると表明しており、レコーディングの時間を制限することで自身に挑戦したいと言っている。

映画とアルバム

解決策として、バンドの長年にわたる素晴らしい写真家であるスティアン・アンダーセンを迎え、北―――正確にはボーデ ―――へ旅し、演奏と記録の時間に制限を設けた。結果、不足するものは何もない、そしてとても温かみのある、寒い北からのポストカードのようなものとなった。

それは自然と成長、環境、そして周辺のものがあなたを人としてどう彩るかということを取り上げている。

時として、2015年の『Cast In Steel」のようにやらざるを得なかったように見えることもあるが、この時は、3人ともパートナーも含めリラックスしており、知らせも沢山あった。

壮厳さ

I’m In』は、スピーカーから流れ出る真珠のようだ。豪華でありながら同時に落ち着きがある。この素晴らしいストリングアレジメントは、モートン・ハルケットの厳選されたボーカルラインの下で、やわらかな波を作る。この曲はa-ha以外のなにものでもないが、静穏と荘厳さが素材をより完璧にしている。

『Hunter in the Hills』は クラシックなポール・ワークター=サヴォイ曲だ。堂々としたインストゥルメンタル部分と、寄せては返すゆったりとしたコーラスが、スマートで技巧的なメロディの中で美しく調和している。

タイトルとなった『True North』は,a-haの昔の曲『Stay on These Roads』の親戚とも言えるトーンとアレンジとなっている。ゆったりとして力強く、煌めくオーロラや雪に覆われた山頂を即座に連想させる音楽だ。フィルムのようで、壮大な曲だ。

『Bumblebee』はもしかしたら、バンドがこれまで長期間作ってきた中で最高のポップス曲かもしれない。
複雑ではなく心が温まるもので、a-haが出来る最高のものだと言えよう。

終わりにふさわしい?

これがa-haの最後のアルバムになるかどうかは、誰一人として予想することはできない。たとえ、誰がなんと言わざるを得なかったとしても、だ。仮にそうだとしたら、彼等は品位をもってお辞儀をしたと言えるだろう。

『True North』は、 バンドをユニークなソングライターとして確固としたものにすると同時に、新たな音と解決方法を示したアルバムだ。全てのバンドが40年ものキャリアに恵まれるわけではないのだ。

投稿者: Tomoko

1985年7月4日、期末試験の直前で部活が休みだった日に、たまたまみたテレビ神奈川の「ミュートマ」で『Take On Me』を見てモートンに落ち、8月25日にアルバム発売というので誕生日プレゼントにしてもらって、モートンの声の多才さに感動。その後、タイトルを最後に言うタイプのラジオで「この声綺麗」だと思ったら「I've been losing you」で、これまたモートンだったことから、自分にとって最高の声だと確信。2010年の解散に伴い、翌年からノルウェー語を勉強しはじめ、現在はMCは聞き取れるようになりました。2022/05/20発売の『a-ha THE BOOK』で、モートンのソロについて書かせていただきました。

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