霧の王子様を読み解く

投稿者: Misaki_Tomo 投稿日:

このインタビュー(http://www.morten-harket.jp/?p=457)、実はずっと訳したいインタビューでもありました。
というのも、モートンの言いたいことがさっぱりインタビューアに伝わってないからです(笑)

モートンはここで、「僕たちが信じているようには存在していないだろうね」「ドナルドダックという存在は、リアルには存在してないけど、認識しているから存在している」と言っています。

アルボムッレ・スマナサーラ氏の本だったか、小池龍之介氏の本だったか…
或いはその両方だったかに、同じようなことの説明があります。

たとえば、皿っていうのは、存在そのものは分子の集まり。
それを同じく分子の集まりで出来た「ヒト」が「目」という機能を通して見、触れた感覚という信号を通して「皿」が認識される。
だから、分子レベルでの結合状態というのは、私たちには見えていない。
「僕たちが信じているようには存在していない」
ということになります。

ものすごく乱暴な言い方をしてしまうのならば、全ての人の存在が、誰かの思い込みによって出来ているということになります。
人の究極の優しさは、「わがままを聞いてくれる」ではなく、「相手の存在を認める」…つまり、逢ったときに「おはよう!」とか「こんばんは!」と声をかけることだ、とスマナサーラ氏は言っています。私もそう思います。

宇宙の融合があって、そこから生き物が生まれて進化して…という過程は誰もが知っているわけですが、ブッダの教えや…その他のスピリチュアルな考え方では、宇宙というのは自分自身なんだと説きます。

仏教の逸話に、「身体が入れ替わった男」の話があります
男が山で道に迷い、ある家をみつけて入るとそこは鬼の家だった
男はとっさに隠れますが、鬼が死体をもってきて、投げてでかけていきます
すると別の鬼が帰って来て、その「死体」を食べようとする。
男はおののいて隠れていると、先ほどの鬼が帰って来て「それは俺のだ」といい、もう1人の鬼と喧嘩になるのです。
怒った鬼は「おい、お前見ていただろう。これは俺が持ってきたものだな」と男に話しかけます。男は嘘をついても仕方ないので「はい、そうです」と答えると、もう1人の鬼は怒って、彼の腕をもぎとってしまう。すると、最初の鬼は死体から腕をもいで、彼にくっつける。
これを繰り返して、男はすっかり別人になり、鬼は彼からもいだ「部品」を2人で仲良く食べて満足してしまう。
男は、自分は生きているのに、別の人間の身体になってしまい、混乱してそこを後にする。

という、身も蓋もない話です。
中学生のときに読んで、「酷い」と思ったんですが。

でも、この話は仏教の「自分自身というのは、認識している・されているから存在しているように思えるのであって、本来は何者でもあり、何者でもない」という考え方をよく表していると思います。

ハワイの「ホ・オポノポノ」も似たような感じで、今起きている出来事は自分が持っている「宇宙」で、ウニヒピリ(潜在意識・インナーチャイルド)が起こしていると言うし、天使の本でもそう。結局、哲学的な考え方では根は同じです。
神話もかも。

人の世界は人の思い込みで出来ている。とらえ方によって、どうとでも捉える事が出来る。

そういう意味で、モートンはこのインタビューでも、実はなんの存在も否定していないんです。
逆説的ですが。
皿が存在しているか、フットボールチームはどうなんだ、観光名所の城はどうなんだ…?とインタビューアは聞いていますが、「存在していない」とは言っていないんですよね

「君が思うようには存在していない(かも)」ですw

私はよく、「モートンは二次元から出てきた男だから」というジョークを言いますが、まあ、それもある意味間違ってないし(笑)、間違っています
確か、他のインタビューで、モートンは「壁から女の子をみつめる(ポスターとして)で十分さ」とも言っていました。
又、解散直前のインタビューだったか何かで、「時間は限られてるけど、何にだってなれるんだ」みたいなことを言っていました。

モートンは、ファンが思うようには存在していないし、自分が思っているようにも存在していないでしょう。究極は分子の塊、エネルギーの塊だから。
エネルギーの塊で誰かを魅了するのならば、確かに「霧の王子様」というのはいいネーミングなんでしょう。

まあ、だから… モートンがマトリックスを否定したという話もあるそうですが、大方、似たような部類だと思います
エネルギーで出来た世界だから、妖精がいてもいいし、天使がいてもいいし、ユニコーンがいても…どれもあり得るんですよね。モートンの世界では。
ただ、それは「そう思っているから存在する」に過ぎない。

大事なのは、この発言がノルウェーでの平和賞コンサートの前のインタビューが最初だったこと。それを前提とするならば、「思い込みで出来た世界で思い込みを理由に戦争するなんてばかげてるよ」ということを言いたかったのかもしれません。
残念ながら、その最初の発言が出ているインタビューは探せませんでしたが。



Misaki_Tomo

2011年からノルウェー語をはじめ、現在、中上級(B1-B2)レベルを勉強中。今は新聞やインタビューは読めて、モートンのMCくらいならわかります。現在、文法と作文の能力強化中。ゆっくり話してくれたら理解できるレベル。Håvard Rem氏から彼の本や歌詞の日本語訳を許可を得てやっています。 いつか出版できるといいな。 2015年から日本・ノルウェー協会に参加。

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投稿者: Misaki_Tomo 投稿日:

このインタビュー(http://www.morten-harket.jp/?p=457)、実はずっと訳したいインタビューでもありました。
というのも、モートンの言いたいことがさっぱりインタビューアに伝わってないからです(笑)

モートンはここで、「僕たちが信じているようには存在していないだろうね」「ドナルドダックという存在は、リアルには存在してないけど、認識しているから存在している」と言っています。

アルボムッレ・スマナサーラ氏の本だったか、小池龍之介氏の本だったか…
或いはその両方だったかに、同じようなことの説明があります。

たとえば、皿っていうのは、存在そのものは分子の集まり。
それを同じく分子の集まりで出来た「ヒト」が「目」という機能を通して見、触れた感覚という信号を通して「皿」が認識される。
だから、分子レベルでの結合状態というのは、私たちには見えていない。
「僕たちが信じているようには存在していない」
ということになります。

ものすごく乱暴な言い方をしてしまうのならば、全ての人の存在が、誰かの思い込みによって出来ているということになります。
人の究極の優しさは、「わがままを聞いてくれる」ではなく、「相手の存在を認める」…つまり、逢ったときに「おはよう!」とか「こんばんは!」と声をかけることだ、とスマナサーラ氏は言っています。私もそう思います。

宇宙の融合があって、そこから生き物が生まれて進化して…という過程は誰もが知っているわけですが、ブッダの教えや…その他のスピリチュアルな考え方では、宇宙というのは自分自身なんだと説きます。

仏教の逸話に、「身体が入れ替わった男」の話があります
男が山で道に迷い、ある家をみつけて入るとそこは鬼の家だった
男はとっさに隠れますが、鬼が死体をもってきて、投げてでかけていきます
すると別の鬼が帰って来て、その「死体」を食べようとする。
男はおののいて隠れていると、先ほどの鬼が帰って来て「それは俺のだ」といい、もう1人の鬼と喧嘩になるのです。
怒った鬼は「おい、お前見ていただろう。これは俺が持ってきたものだな」と男に話しかけます。男は嘘をついても仕方ないので「はい、そうです」と答えると、もう1人の鬼は怒って、彼の腕をもぎとってしまう。すると、最初の鬼は死体から腕をもいで、彼にくっつける。
これを繰り返して、男はすっかり別人になり、鬼は彼からもいだ「部品」を2人で仲良く食べて満足してしまう。
男は、自分は生きているのに、別の人間の身体になってしまい、混乱してそこを後にする。

という、身も蓋もない話です。
中学生のときに読んで、「酷い」と思ったんですが。

でも、この話は仏教の「自分自身というのは、認識している・されているから存在しているように思えるのであって、本来は何者でもあり、何者でもない」という考え方をよく表していると思います。

ハワイの「ホ・オポノポノ」も似たような感じで、今起きている出来事は自分が持っている「宇宙」で、ウニヒピリ(潜在意識・インナーチャイルド)が起こしていると言うし、天使の本でもそう。結局、哲学的な考え方では根は同じです。
神話もかも。

人の世界は人の思い込みで出来ている。とらえ方によって、どうとでも捉える事が出来る。

そういう意味で、モートンはこのインタビューでも、実はなんの存在も否定していないんです。
逆説的ですが。
皿が存在しているか、フットボールチームはどうなんだ、観光名所の城はどうなんだ…?とインタビューアは聞いていますが、「存在していない」とは言っていないんですよね

「君が思うようには存在していない(かも)」ですw

私はよく、「モートンは二次元から出てきた男だから」というジョークを言いますが、まあ、それもある意味間違ってないし(笑)、間違っています
確か、他のインタビューで、モートンは「壁から女の子をみつめる(ポスターとして)で十分さ」とも言っていました。
又、解散直前のインタビューだったか何かで、「時間は限られてるけど、何にだってなれるんだ」みたいなことを言っていました。

モートンは、ファンが思うようには存在していないし、自分が思っているようにも存在していないでしょう。究極は分子の塊、エネルギーの塊だから。
エネルギーの塊で誰かを魅了するのならば、確かに「霧の王子様」というのはいいネーミングなんでしょう。

まあ、だから… モートンがマトリックスを否定したという話もあるそうですが、大方、似たような部類だと思います
エネルギーで出来た世界だから、妖精がいてもいいし、天使がいてもいいし、ユニコーンがいても…どれもあり得るんですよね。モートンの世界では。
ただ、それは「そう思っているから存在する」に過ぎない。

大事なのは、この発言がノルウェーでの平和賞コンサートの前のインタビューが最初だったこと。それを前提とするならば、「思い込みで出来た世界で思い込みを理由に戦争するなんてばかげてるよ」ということを言いたかったのかもしれません。
残念ながら、その最初の発言が出ているインタビューは探せませんでしたが。



Misaki_Tomo

2011年からノルウェー語をはじめ、現在、中上級(B1-B2)レベルを勉強中。今は新聞やインタビューは読めて、モートンのMCくらいならわかります。現在、文法と作文の能力強化中。ゆっくり話してくれたら理解できるレベル。Håvard Rem氏から彼の本や歌詞の日本語訳を許可を得てやっています。 いつか出版できるといいな。 2015年から日本・ノルウェー協会に参加。

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