お誕生日記事(1)の続きです。今回は子供の時代の虐めと、有名人になって味わう「虐めにあったときと同じ感覚」について。ファンとしては読んでいて心が痛いです(いろんな意味で)。
というわけで、若干、読むのに覚悟を持って読んでいただければと思います。
元記事:https://www.dagbladet.no/kjendis/deler-sjokkerende-detaljer/77356012
ノルウェー最大のスーパースターは、5人兄弟の2番目としてAskerで育った。家は安心できる良い場所だったが、学校では難しい時期を過ごした。彼は校庭を,殴ったりつばを吐きかけて牛耳るグループによって、ぶたれていた。
虐めは中学に入るまで続いた。
―(虐めに)介入してこなかった教師にはかなり失望した。個人としては生徒との面談に躊躇している人もいたし、態度を変えず«Hello, this is school. Get used to it»とだけ言う教師もいたよ。
彼は自宅では、学校でどんな目に遭っているか全く言わなかった。
―両親は安全で健全な人達だけど、学校での虐めを彼等に語る気には全くなれなかった。そんなことをしたら物事を取り返しがつかなくなる『行動規範』を破ることになるから。同じような経験をした人は、僕が言っている意味がわかってくれると思う。
学校から家への帰宅路は、学校での出来事から距離を置くには十分な距離だった。
– 学校で、あなたと同じような目に遭ってる人に言いたいことはありますか。
―2つある。虐めをするような人は、その人自身が不安定で心許ないんだ、それで自分の地位のためにそんなことをするんだ。これが一つ。もう一つは、彼ら(虐める側)は、君(虐められる側)がどんな経験をしてるかなんて全く理解してないってことだ。
彼が、何年も経ってから虐め加害者に再会した時、彼等(加害者)は彼にとってそれがどんな経験だったかを聞いて驚いたという。
―虐めに加わっていたうちの誰も、その頃僕がどう感じていたかわかっていなかった。だから、罪悪感も、謝罪したいという気持ちになるものも、全くなかったんだ。彼等の多くは僕の当時の状況を聞いて、不愉快で悲しい気持ちになっていた。
有名人としての生き方は、虐めを思い出すと、モートン・ハルケットは言う。
―有名になると、群衆からは切り離されて他の何かになるんだ。現実的な意味では(社会から)追放される。 有名人としての生活は、明らかに、僕が学校で経験した虐めと類似した特徴があるんだ。
– どういうことでしょうか?
―多くの場合、完全にこうという参照先に欠けるから説明が難しい。どういったら良いか難しいんだけど、私生活について、僕と同じ立場にいない人と議論しても無意味なんだよね。私生活とは何か。それは、君が私生活というものを取り上げられたとき初めてわかるんだ。
彼はFarrisのボトルから、時間をかけて一口飲んだ。
―私生活なら家にあると考えると思うけど、それはその通りだけど、でも(本来は)私生活は街中やバスの中、カフェ、空港でもあるはずだ。でも、僕にとっては違う。僕は滅多にホテルの朝食ラウンジには下りていかない、行けばジロジロ見られることをよしとしなければいけないから。どこにいようと、一目で僕だとわかると、僕のすること全てが人々の意識に記録されてしまう。
彼は頻繁に、周りの人間が自分に対してなんらかの反応をする前、自分を認識した瞬間に気づいている。
―侵入者なんだ
– あなたは沢山のものを失いましたか
―そうだね、自分の生活を。平和に生活できないというのは、とてつもなく大きな損失だよ。
– あなたはとても特権的な生活をしていると言う人も多いのではないでしょうか。
―わかるよ。でも彼等は有名であることの代償を考慮してないから。僕がこうするのは、僕が音楽に生きているからなんだけど、僕にとっては他のことは全て高い代償なんだ。誰もが「なんで彼等は会ってるのかな」「なんで彼女とここに座ってるのか」「あそこにいる彼は誰だ?」と反応するからね。
– 全てのことに後悔してますか?
―もし君がこの質問を個人的に聞いてくるなら、即座にYESと答えるだろうね。85年にはそう簡潔に答えてるし。でも、たとえ後悔を伴うとしても、僕にとって意味のあるものである限り、この生活を続けていくよ。
– 有名人になりたくなかった?
―そうだね。有名人になることを夢見たことはないんだ。でも、僕は17歳の時から、いつか自分は音楽で世界的にブレイクすると確信してたから、好奇心はあった。どうなるかワクワクしていたよ。
– 超能力があるの?
―それは知らない、そうしたものを使ったことはないから。ただ、確信があったというだけ。
彼が、習慣的ではない力について長い推測に入ったとき、ドアがノックされた。広報担当が、親切にかつ断固とした態度で、インタビューの終わりを告げた。
―数日後に、また続きを話すのはどうかな、彼はあくびをしながら言った。
「何をしても一瞬で意識されてしまう」件については、『ベストヒットUSA』の一瞬の居眠りも気づいてしまう身としては「モートン、ごめんよ」という気持ちにもなりますが、この有名人になることと虐めにあうことが似ているという件は、モートンは度々話しています。
ただ、彼はファンが嫌いというわけではなくて、以前『Brother』のライブのときにこんな話をしています。
どうでしょう?ファンに対して葛藤していたことも話していますが、今は、よく思ってくれているように感じます。
それはそれとして。これなんですよね、私が『a-ha THE MOVIE』でモヤッとする理由。特にマグネが「自分とポールは目立つのが好きじゃないから」というようなことを言うシーンと、ロブサームが執拗にモートンを飄々としていてファンサービス旺盛な人という印象づけるシーンばかり流すところ。
本人は、自分がブレイクすることはわかってたと言っていますが、そうは言っても有名になってみれば思いのほか、プライベートがまるでなくて大変だったわけですよね。それでこうしてファンに対しても葛藤していたし、『Hjemkomst』の最初のほうには、他の二人が曲を作るから自分はファンサとかメディア対応しようと思っていたというところがあって、間違っても目立つのが好きだからやってたわけではないと思うんです。
ここで、周りが自分が誰か気づいてることにモートンがすぐ気づいてしまうとありますが、この後の記事ではまさにその瞬間が垣間見えます。次は環境問題についても入ります。