モートンがクリスチャンスンで讃美歌を歌ったときのこと

ノルウェー北部の町、クリスチャンスン(モートンが子供時代に過ごしたクリスチャンサンとは違う場所)で、オルガン奏者やコーラスやオーケストラの指揮、キリスト教関連のフェスを仕切るなどしていたPeder Rensvik氏が亡くなったということで、このRensvik氏が尽力した、モートンを呼んで讃美歌を歌ってもらったコンサートについて記事が掲載されています。紙媒体から電子化したものだそうです。2009年のものです。記事は有料版です。https://www.tk.no/hentet-morten-harket-til-kristiansund-for-a-synge-salmer/s/5-51-1300626

ちなみに、クリスチャンスン(今回の記事に関する場所)とクリスチャンサン(モートンの両親の故郷。モートンが夏休みを過ごした場所)は名前がそっくりなんですが、場所はだいぶ違います。Wikiによると郵便番号がない時代は間違いを防ぐため、クリスチャンスンにはN(北)、クリスチャンサンにはS(南)を入れることになっていたそうです。

左がクリスチャンスンのKirkelandet。右がクリスチャンサン(モートンの両親の故郷)位置が全然違う

2009年、フェスティバルの責任者Peder RensvikはKirkelandet教会でモートン・ハルケットと並んだとき、少しばかり嬉しそうだった。自らの人脈とクリスチャンスン・教会芸術文化フェスティバルを通して、Rensvikは沢山の大物ミュージシャンをこの町とノルドムーレに呼んだが、ハルケットはおそらく、その中でももっとも大物だ。

讃美歌の鍋

2009年秋 Kirkelandet教会で予定されているコンサートで新しい曲を作る可能性について、モートンとKjetil Bjerkestrand。

クリスチャンスンでのコンサートは、ただのコンサート以上のものだ。これは、ハルケットの、a-haの外でのミュージシャンとしてのキャリアの印象的なワンシーンだった。Kjetil Bjerkestrand(クリスチャンスンにある島Frei出身)を共演者とした、余計なものがなにもない舞台でのコンサートだった。

僕らは二人とも、キリスト教の環境で育ったんだ。そこでの歌と音楽は、大事な素材だった。

ハルケットは、コンサートの数週間前にあった記者会見でそう言った。

僕たちは二人とも、讃美歌鍋にいる子供だったのさ (*1欄外に説明いれておきます)

Bjerkestarandは笑って言葉を追加した。

二人は古くからの友人で1990年代にはすでにあっていた。その出会いは一枚のアルバムにつながり、ハルケットはボーカリストとして、Bjerkestrandは音楽的な推進力として働いた。

2009年9月のKirkelandet教会でのコンサートは、『Sideblikk』だ。

僕らは僕の音楽性を形作った沢山の小さな停留所に立ち寄る予定だ。いくつかの讃美歌、ポップミュージック、ソウル、そしてゴスペル。新たに書き下ろすかはわからないけど。なんにせよ、新たな方法でやろうと思っている。音楽は動きであり、生産ラインで作られるものではないんだ。僕はこれまでコンサートのドアをくぐるときに、新たなリフを書いてきた。

そう、モートンは語った。

際立つ

コンサートの日、Kirkelandは端まで埋まった。Tidens Krav(この記事の掲載されている新聞)の批評家であるEilif Oddeは、世界でも知られているアーティストが、こういった特色のコンサートを多くやらないのは残念なことだという。

ーモートンはこれ以上なく完璧だ。マグネ・フルホルメンとポール・ワークター=サヴォイが横にいなくてもね。彼は、最初の曲から観客を魅了し、説得力のある本物の実力を見せてくれた。私たちはモートン・ハルケットの声が見事であることを知っている。無駄なものをそぎ落としたセットの中で、彼の声はより際立っていた。

観客は、『X-mas Card』(管理人註:おそらく、『A Kind Of Christamas Card』のこと)、『Mitt hjerte alltid vanker』、『O, Jesus du som fyller alt i alle』と『O, bli hos meg』などを聞いた。

コンサートでは、Alex Robson,Bård Monsen, Anders Rensvik そして Ole Erik Ree.からなる弦楽四重奏も行われた。Helge Norbakkenはパーカッションで参加した。


(*1)辞書によるとノルウェーには、「小さい鍋にも耳がある」という慣用句があり、これは「子供は大人の言っていることがわかる」という意味なんだそうです。つまり、モートンとBjerkestrandは讃美歌やキリスト教関連の音楽(ともちろん教義もでしょうけど)に囲まれて育ったということでしょう。

残念ながらこのコンサートの動画は見つけることができませんでしたが、いくつか違う時期にモートンが歌っているものは見つけることができたので紹介します。

これは、有名なやつですね。1987年のモートンです。1987年って28歳ですよ。こんなかわいいかつきれいな28歳ありなんですかね。高校生って言われたら信じますよね。

この映像自体は、2010年のハイチ支援のボランティア番組のようです。ってことは、それに関する記事もどこか探せばあるはず。(読みたい)

そして、最後『O Jesus du som fyller alt i alle』(サウンドクラウド)
https://soundcloud.com/morten-harket-family-fans/morten-harket-o-jesus-du-som

これは、検索していてその時の音源としてリンクされていたものですが、当時の新聞(下の画像参照)と同じ画像であることから、おそらく間違ってないと思います。

投稿者: Tomoko

1985年7月4日、期末試験の直前で部活が休みだった日に、たまたまみたテレビ神奈川の「ミュートマ」で『Take On Me』を見てモートンに落ち、8月25日にアルバム発売というので誕生日プレゼントにしてもらって、モートンの声の多才さに感動。その後、タイトルを最後に言うタイプのラジオで「この声綺麗」だと思ったら「I've been losing you」で、これまたモートンだったことから、自分にとって最高の声だと確信。2010年の解散に伴い、翌年からノルウェー語を勉強しはじめ、現在はMCは聞き取れるようになりました。2022/05/20発売の『a-ha THE BOOK』で、モートンのソロについて書かせていただきました。

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