<小ネタ>モートン、オペラの広告で比較対象になる

先日、VGのEurovision Song Contestの批評で「ロングトーン」の基準にされたモートン。 2016年のノルウェー国立オペラ・バレエ『オルフェウスとエウリディケ』の広告記事で、「高い声域」の基準にされていましたのでご紹介。全文ではなく、モートンと関連する部分までです。


男性はどこまで高音粋で歌えるのか

最後まで言うなら:男性はどこまで高音粋で歌えるのかー去勢しないこと前提で

この実験をやってみるには、あなたがこの記事を職場で、或いは路面電車であれ、講義中の教室であれ、以下の曲の中からいくつか頭の中で歌ってみると良い。

まずはPrinssの『Kiss』のオープニングから
«You don’t have to be beautiful…»
それから、a-haのモートン・ハルケットの歌う
«Stay on these roooooooooads…»
最後にBee Geesの
«Ah, ha, ha, ha, stayin’ alive…»

これらの曲の共通点はファルセットだ。明るく、曇りのない声を私たちは、しばしば思春期前の少年の声や繊細な少女の歌と結びつける。
複数のアーティストが均一のファルセットを、道具の一部として使っている。 Bruno Mars, Justin Timberlake, Pharrell Williams, Coldpay og Frank Ocean …等、他にも名前は挙げられるだろう。

また、ファルセットを自分の表現の中心として位置づけているアーティストも多い、Bee Gees、Prince、そして、a-haのモートン・ハルケットは、彼らの歌唱法とは切っても切れない関係だ。

これは、クラシック歌唱のコントラテノールでも同様で、Den Norske Opera&Ballettsの演目『オルフェウスとエウリディケ』におけるDavid Hansenもまた、そうした歌唱をみせてくれる。彼と、他のコントラテノール(以下、文中ではカウンターテナーと日本語で表記)の歌手はプロフェッショナルなファルセットテクと才能で、このトーンで歌うことが可能なのだ。

聞いて見ましょう。

『オルフェウスとエウリディケ』では、彼はオルフェウスを演じ、愛に全てを投じる。舞台は、国立オペラと国立バレエ団のコラボにより執り行われる。
監督、振り付け、舞台美術は舞台のテーマを最高の表現で見せることができる Jo Strømgren が担当する

ー簡単にいえば、オルフェウスはその女性のことがとても好きなんだと言える
と、Jo Strømgrenは言う。
ーこれは、何を選び、何を手放すかということを扱っている。 オルフェウスは妥協を許さず、全てお与えようとするんだ。

カウンターテナーというものについても、同様のことが言えるだろう。Wikipediaによると、カウンターテナー (イタリア語のコントラテノールから由来) は、『頭声』または裏声のテクニックを使って女性の声域で歌う男性歌手を言う。カウンターテナーの声域はG3からD5/E5までと言われている。

比較としては、たとえば、モートン・ハルケットは、『Take On Me』において一番高い部分でE5を使っている。

(以下、カウンターテナーの説明のため略)


去勢なしにというのは、日本のWikipediaによると、

変声を過ぎた男性が裏声ファルセット)や頭声を使って、女声パート(アルトメゾソプラノソプラノ)あるいは女声に相当する音域を歌うことを指す。ボーイソプラノや、バロック時代にみられた変声前に去勢することで高音域を保つカストラートとは区別される。

とあるので、そのことだと思います。また、同じWikipediaには、こんな記述もあります。

特にソプラノ(Soprano)を歌う男性は、女声の最も高い音域(C4~E6)を出し、カウンターテナーと区別して男性ソプラノ、ソプラニスト(英語)或いはソプラニスタ(Sopranistaイタリア語)と呼ぶことが多い。

思わず赤字で強調してしましましたが、『Take On Me』の一番高いところはE5とあるので、モートンはカウンターテナーの中でもソプラノの声域を出してるってことに。モートン、さすがすぎる。

最後に、記事には載っていませんでしたが、この『オルフェウスとエウリディケ』のトレイラーがyoutubeにありましたので載せます。なんか想像以上に前衛的。元ネタはギリシア神話で、日本神話の「イザナギ・イザナミ」の黄泉の話とそっくりなもの。ここを語らせると、大学の学祭で発表したテーマになるほど長くなるので止めますが(笑)、このビデオでは、なんか現代劇っぽく見えますよね、すごく気になります。

投稿者: Tomoko

1985年7月4日、期末試験の直前で部活が休みだった日に、たまたまみたテレビ神奈川の「ミュートマ」で『Take On Me』を見てモートンに落ち、8月25日にアルバム発売というので誕生日プレゼントにしてもらって、モートンの声の多才さに感動。その後、タイトルを最後に言うタイプのラジオで「この声綺麗」だと思ったら「I've been losing you」で、これまたモートンだったことから、自分にとって最高の声だと確信。2010年の解散に伴い、翌年からノルウェー語を勉強しはじめ、現在はMCは聞き取れるようになりました。2022/05/20発売の『a-ha THE BOOK』で、モートンのソロについて書かせていただきました。

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