モートン本『Hjemkomst. Morten Harket 1993-1998』は9月14日発売

昨年12月、春あたりにモートンに関する本が出るとRemさんに伺って以来、楽しみにしていたモートン本の情報が出ました。いやー、ずっと待ってたよ!!著者のインスタおよびVGの記事によると、タイトルは『 Hjemkomst. Morten Harket 1993-1998 』。9月にリリースだそうです。『Hjemkomst』は、英語にすると『Homecoming』ってやつですね。日本語だと、帰宅とか帰省とか、帰郷とか…。

もっとも難しい3冊目の本が9月にリリースされる。誰あろうモートン・ハルケットについての本だ。(中略) #mortenharket #forlagetpress #hjemkomst

『Homecoming』というと、このDVDを思い出しますね。(画像をクリックすると、amazonの販売ページに飛びます)

話が飛びましたが、その『 Hjemkomst. Morten Harket 1993-1998 』について、VGで著者が語っている記事を訳しますね。


モートン・ハルケットの秘密のアルバムを発見

a-haの最初の活動休止時期、モートン・ハルケットは2枚のアルバムを同時に作っていた。一つは、売り上げで成功を収めた『Wild Seed』、もう一つはリリースされずする予定もないであろうものだ  写真: Jan Petter Lynau, VG

25年以上の時の中で、モートン・ハルケットによる知られていない・リリースもされなかったソロアルバムがある。それはロンドン郊外のレンガ造りの家に隠され、そして忘れられてしまっていた。a-haのスターが決心してしまえば、誰も聞くことができなくなるだろう。

(著者: Stein Østbø )

この話の元ネタは、 Ørjan Nilssonがこの秋に出版する 『Hjemkomst. Morten Harket 1993-1998』だ。このソロアルバムの制作と録音はa-haが最初の解散(休止)をした1993年に始まったが、未だリリースされていない。

このアルバムと並行して、モートンが録音していたアルバムこそ、ノルウェーで大成功をおさめ、4つのスペルマン賞を取ったあのアルバム『Wild Seed』(1995年)なのだ。

Ørjan Nilsson も、この秘密のアルバムを聴いたことがある数少ない一人だ。彼は、ロンドン郊外のリッチモンドにあるプロデューサ、アラン・ターニー-Shadowsのベーシストで、a-haの初期3枚のアルバムのプロデューサでもある-の元へ、このアルバムを聴くために行かなくてはならなかった。

『大部分はとても良い曲だった、90年代初期っぽさが残るものと少し今っぽく聞けるものとあるけどね』 Ørjan Nilsson は、VGに伝えた。

ーそれでは、誰も聞けないのでしょうか
Ørjan Nilsson :僕が見つけたときのように、彼らはこのアルバムを外に出すことはないだろう。モートン自身も、これらの曲をもう、何年もずっと聞いてないからね

この本において、ハルケットはこのアルバムを出すことはないと公式に認めている。その中の2曲『Sound of Rain』と『A Place I Know』はyoutubeで聞くことはできるが。

僕は、このアルバムは外に出したくないんだ。同時に、僕は僕が(当時)出来たことを知っている、そうでなければあれは意味の無いものになってしまう。だから僕は、自分がやりたいと思ったものを届けるようにしたんだ

ハルケットは、そう本の中で述べている。

モートンは当時、誰かが書いているような純粋なポップアルバムを作るためにスタジオへ行くのに、気が重かった。それは、彼が望む道とはあまりにもかけ離れていたからだ。

彼のレコード会社であるWarner Musicに知らせることはなかったため、彼は並行して『Wild Seed』を録音するに至ったのだ。そして、それこそが、当時の彼の目指す方向でもあった。

のちにモートンは、Warner Musicに二枚のアルバムを届け、最終的に意志を決めた。嫌々ではあるが、ワーナー・ミュージックは『Wild Seed』を選ぶことにした。彼ら自身が決めたアルバムではあるが、結局のところ、引き出しの一番下に置かれる状態になった

僕は君に誓おう、これは勝利に感じるようになると。大きな転機になる。僕は”Wild Seed”を信じ届けたいと思う、なぜなら、このアルバムはまるで、既になされたもの・権利があったものの如く成長していくからだ

モートン・ハルケットは本の中でそう言っている。

https://www.vgtv.no/107510 (動画:モートン・僕は殴られていた)

管理人註:上記動画内容について:モートン、虐めについて語る 「虐めとは相手の自尊心と可能性を壊す行為」

Ørjan Nilsson は 『 Tårer fra en stein』-ハルケットのa-haでの同僚であるポール・ワークター=サヴォイとの会話本ーを書いており、a-haをよく知っている。『Hjemkomst』はa-haの素材についていわば自由に語るもの。この本は、モートン・ハルケットのある特定の時期について、彼の人生とキャリアについての本なのだ。

『私はずっと、モートンの活動と政治的な側面について、見つけ出したいというアイディアがあった。a-haの活動が停止すると姿を見せ、再結成すると再び消えてしまう部分のね。この時期、彼はどこにでもいた、彼がこれまでブレイクしてきた以上の、これまでとは異なったブレイクを果たしたんだ』Nilsonはそう主張する。

https://www.vgtv.no/80609  (Brotherについて語っている動画)

『どれだけの事が、モートン・ハルケットによってなされたかわかるかい?たとえば、彼はノルウェーで初めて電気自動車を運転した人物であり、ベローナと協働もし、そして、東ティモールと温かな会話を持つに至ったかとか。』Nilsenはそう尋ねる。

このモートン・ハルケットの政治的な貢献は、たとえばWarner Musicのように傍目にもわかる戦いがあった。『Gospel From A Heathen』は、その強すぎる歌詞のために『Wild Seed』には入れられなかったが、Joseph Brodskyの詩『Bosnia Tune』に曲をつけたものは、この曲を書いてるときに血塗られたボスニア紛争が終了フェーズに入ったことで、『Brodsky Tune』と名前を変えざるを得なかったが、Wild Seedに収録された。同様に政治的な曲である『East Timor』も難しい側面を越えて結果的にWild Seedに収録されるに至った。

早々に出ていた側面:1989年にはモートン・ハルケットは環境団体ベローナのFrederic Haugeと電気自動車の導入に力を注いでいた
写真: Line Møller

『モートン・ハルケットのこういった側面は、もしかしたら少しばかり忘れられているかもしれない、全ての人が彼が自分の声を社会に影響を与え、変化させるために使っていたことを覚えてないかもしれない』Nilsonは強調する。

彼はモートン・ハルケットを『非常に貢献するタイプ』であり、強い協働意志の持ち主だと記述している。

『私は、彼がこの重要で輝いた時期(1993-98)において、何を成し遂げたか話すことに興味を持っていることが解った。彼は、このプロジェクトに没頭し、上手くいくことに夢中だったんだ。私は3ー4回のインタビューのつもりだったが、今時点で25回にもなっているよ』彼は笑顔で言った。



『Gospel From A Heathen』については、以前にもこのサイトで取り扱っていますが、歌詞が過激でリリースされなかったのです。詳しくはこちら。 (Håvard Rem氏に質問した内容(ツイッター)つきです.そういえば、訳したものを載せるの忘れてました>Gospel元ネタ) 

ありがたいことに、以前、Rem氏から頂いた私撰集『Taksameteret går』には、Rem氏からのコメントつきでして、それをみると、「これは良い曲だったが、ワーナーの反対にあって入らなかった」とか、モートンがとても情熱的に取り組んでいたことがわかるものが入っています。

『Wild Seed』という言葉に、モートンがどういった意味を持たせていたのかはわかりませんが、自分の行動が何かしらの種になる、次代へ引き継いでいくというのがこのアルバムの醍醐味なのかもしれません。私はこの時期、既にネットをやっていたのですが、モートンは個人サイトを作り、次のアルバムは96年に出る、97年に出る…といったまま、サイトが更新されなくなり…a-haが復活した経緯をリアルタイムで見ていました。そして、文中にあるGospel以外の2曲もとても良い曲です。全体として、きっと良いアルバムだったんだろうなと想像はつきますが、モートンにとっては、この実験的であった『Wild Seed』こそが転機だったということなのでしょうね。

モートンは何か発言する度、霧の王子だのなんだのと揶揄されますが、私からすると彼は以前から大変わかりやすい発言をしているように思います。勿論、彼と直接話したわけではなく、インタビュー等を読んで感じていることですが、彼は自然との共生というか、地球そのものとの共生ということをテーマにもっていて、それが強くででいたのがこの時期のように思います。今もあると思いますが、聞く人がいないから、なかなかそこに至るインタビューにならないんですよね。

ただ、上にあるように東ティモールの話とか聞くと、モートン、ノーベル平和賞貰ってもいいんじゃないかと思ってしまいます。そういえば、電気自動車の件は、モートンが参加していたソーラーパワー関連の本読んでいるというと驚かれるので、若い人にはあまり知られてなさそうなところは残念です。


さて、この本の発売についてですが…

9月14日発売!???ということで、どこにあったのか聞いて見ました。
「どうして9月14日って知ったの?9月っていうのは見つけたんだけど…」と。

たしかに9月14日発売になっています。
そして上記リンク先,Haugenbok.noでは予約可能になっていました。最近ノルウェーの書店は海外搬送をやめてしまったところも多いため、Haugenbokを含め、海外搬送をしてくれるところは貴重です。

Norsk Serie (Cappeldammの姉妹サイトの該当ページ) 
https://www.norskeserier.no/_hjemkomst-orjan-nilsson-9788232803071

Cappeldammは、以前は海外搬送可能でしたが、今はサイト毎に会員であれば可能な場合があります。私はまだ海外搬送していた頃に全体の会員になったのですが、そのお陰で、教科書サイトとこのサイトも会員でした。購入する場合、43クローネで海外搬送して貰えるようです。この金額は格安です。

Haugenbok(上記ツイッターからのリンク)でも、購入可能です。こちらは海外搬送として1000krかかります。ただし、複数購入しても1000krなので、複数購入できるなら良いかも知れません。(でもさすがに1万円越えは…)

また、現時点では取扱不明ですが、もし、ポール本同様扱ってくれるなら、Bokkilden.noもお薦めです。こちらは海外発送は200kr-300krぐらい(詳細はサイトで確認してください)です。まあ、3000円としても、Haugenに比べたら安いです。というか、ノルウェーから本を発送してもらう場合、200-300krが多いように思います。

私はひとまず、CappeldammのNorsk Serierで購入しようかと思っています。
なお、購入は自己責任でお願いします。

なんにせよ、この本のテーマとなる1993-98は、非常に興味のある年代でもあります。去年の冬、Rem氏からこの本についてうっすら聞いてはいて、楽しみにしていたんですよね。9月14日は勿論、休みを取っています。(毎年休みを取ってる)。本が届くのはそれより後になるでしょうけど、今からとても楽しみです。

投稿者: Tomoko

1985年7月4日、期末試験の直前で部活が休みだった日に、たまたまみたテレビ神奈川の「ミュートマ」で『Take On Me』を見てモートンに落ち、8月25日にアルバム発売というので誕生日プレゼントにしてもらって、モートンの声の多才さに感動。その後、タイトルを最後に言うタイプのラジオで「この声綺麗」だと思ったら「I've been losing you」で、これまたモートンだったことから、自分にとって最高の声だと確信。2010年の解散に伴い、翌年からノルウェー語を勉強しはじめ、現在はMCは聞き取れるようになりました。2022/05/20発売の『a-ha THE BOOK』で、モートンのソロについて書かせていただきました。

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