モートン・ハルケット、ホームでのコンサートレビュー (ノルウェーの記事)

元記事:http://www.dbmag.no/hjemmeseier/
曲名がある場合は、元記事にはありませんが、youtubeから10月24日または25日の映像を選んで掲載しています。
記事に合わせて曲を掲載しているので、実際のセットリストの順とは違うようです。

評価5/6:モートン・ハルケットは、ただいま、ツアーの真っ最中だ。Sentrum Sceneでのコンサートは、ホームでのコンサートのとりになる。このコンサートは、このa-haのボーカリストが時代を通じて、ノルウェーの最大のポップアーティストでいられるかを示すには充分だった。

今年のアルバム『Brother』の1曲、『Do You Remember Me?』から始まった今晩のコンサートは、最高だった。
最新アルバムから選び抜かれた7曲は、充分に力があり、何の問題もなかった

ドラムに復帰したPer Lidvallのリズムセクションのおかげで、グルーブはとても良かった。
このスエーデン人のドラムは、Karl Olauf Wennerbergのドラムよりも、よりライブ向きであったが、
ハルケットは、彼が『Out Of My Hands』でやったよりも、a-haの最後の2回のツアーのときのような、よりオーガニックな音を表現している。

今夜の主役である彼は、今朝からずっともっているアコースティックギターで、曲の大部分を演奏した。
2曲演奏したあと、彼が皮ジャンを投げると、女性ファンから歓喜の声がわき上がった。


(※残念ながらジャケット投げのシーンは見つかりませんでした)

最初の古き良き一曲は、傑作である『Spanish Steps』だった。
私たちは、作曲家としてのTorstein Flankneがどれほど素晴らしいかを思い出した。
彼の評価は低すぎるが。

今夜のSentrum Sceneでの音は、キラキラと輝き、スカンジナビアのメンバーで構成されたバンドの音は、会場に冴え渡った。
今夜の主役である彼の歌声も勿論良く、美しく調和の取れた歌声が聴衆に届けられた。
彼は、英語とノルウェー語を切り替えて、ファンと気取らずにコミュニケーションを取ってもいた。
『End Of The Line』では、ハルケットはギターを置いて、舞台を歩き、最前列のファンに向き合った。

その後、まさかやるとは思っていなかった『Letter From Egypt』からも感動ものだった。
最初の『Darkspace』も勿論だが、『Movies』も疑いもなくかっこよく、とても良いものになった。


音の調整は、『Shooting Star』では、最も弱い状態になったが、Lindvallのドラムはかなり盛り上げた。
このコンサートで最もロックらしかったのは『Send Me An Angel』だった。
ギターリストのVicky Singhのリフはタフで、同時にいくつかの美しいメロディラインの部分でも、良い仕事をした。


驚いたのは、モートンが『Did I Leave You Behind』を持ってきたことだ。
彼曰く、この曲は全10曲の『Brother』において、11曲目の曲なのだという。
この曲はとても素晴らしく、繰り返し部分のハルケットのファルセットは特に素晴らしいものだった。

これ以外の主な曲は、『Brother』とソロデビューアルバム『Wild Seed』からの物だった。後者は、今尚、彼の最高のソロアルバムだ。『Lay Me Down Tonight』では、モートンのバックバンドのChrister KarlssonのピアノとSinghのギターの爪弾きがそのすばらしさを強調した。これは、とても素晴らしかった。

ソロデビューアルバムと同名を持つ曲『Wild Seed』は、コンサートのハイライトの一つとなった。
ここでは、再びSinghの麿デイ明日なリフがキラキラと光った。
曲の終わりに至っては、ハルケットのUriah Heepからのインスピレショーンを元にしたKarlssonの壮大なオルガンで最高潮に達した。又、Singhはこの晩で一番の強烈なギターソロでキラキラとした最高の瞬間を演出した。

この盛り上がりのあとは、今度はすっかり落ち着いたものに変わった。
そして、この静けさの中での『Los Angels』以上に素晴らしいものはなかった。
これは、この晩の最高の一曲となった。

幸いにも、新曲の一つ『Safe With Me』も、音の少ない『There is a place』もとても良いものになった。
『There is a place』では、SinghはEBowによって、素晴らしくまたゆらいだ調律を作り出し、Karlssonのピアノは再びその場を圧倒した。
この曲は信じられないほど美しく、この美しい音色こそ、このコンサートのいたるところに見られる要素だった。


『Whispering Heart』では、ハルケットの歌い出し『Take your shoes off』に合わせて、前列nファンが靴を脱いで掲げた
これは、世界の様々な地域から来た、モートンの忠実なファンによる熱狂的でかつ貢献的な光景だった。

これが顕著に表れたのが、アンコールの一曲目『Brother』の時だ。
ファンはSNSを通して、各々の国旗をこの曲の間に振る約束をしていた。
モートンとそのバンドがソリッドな演奏をしている間、Sentrun Sceneにはヨーロッパや南北アメリカ、そしてアジアの旗がはためいた。

コンサートが終わりに近づくと、ついに永遠の明鏡『A Kind Of Christmas Card』の出番だ。
『Wild Seed』からのこの曲は、改めてどれほど素晴らしいかを証明してみせた。
1995年秋のSentrum Sceneでの、当時出たばかりの『Wild Seed』のライブデビューのときのことが脳裏に蘇った。
月日は流れたが、曲の強さは変わらないままだ。

この晩の最後は、今年1月になくなったPhil Everlyへの賛辞で終わった。
私たちはPhil Everyの名前を冠するこのギターを、まさに彼本人から貰ったこと。そして、Every BrothersのベーシストであったTerry Slaterが当時のa-haのマネージャーであったという話を、ハルケットから聞いた。

そして…、『Crying In The Rain』ではなく、『Let It Be Me』を演奏した。
ハルケットはこの時、一人でアコースティックギターを演奏し、ギターリストのSinghはその相棒を休ませていた。
これはとても素晴らしいひとときになった。会場は静けさに包まれていた。

見事なコンサートが終わるった。前回のツアーとは反対に、a-haお曲についての追跡はなかった-セットリストにa-haの曲がなかった寂しさはあるけど-。
でもこれも、来年まで…だよね?

投稿者: Tomoko

1985年7月4日、期末試験の直前で部活が休みだった日に、たまたまみたテレビ神奈川の「ミュートマ」で『Take On Me』を見てモートンに落ち、8月25日にアルバム発売というので誕生日プレゼントにしてもらって、モートンの声の多才さに感動。その後、タイトルを最後に言うタイプのラジオで「この声綺麗」だと思ったら「I've been losing you」で、これまたモートンだったことから、自分にとって最高の声だと確信。2010年の解散に伴い、翌年からノルウェー語を勉強しはじめ、現在はMCは聞き取れるようになりました。2022/05/20発売の『a-ha THE BOOK』で、モートンのソロについて書かせていただきました。

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